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水分測定

露点測定の代表的なトラブル事例, MIL21-03

Michell Instrumentsよくある質問品質基礎小話水分測定露点

 

露点測定の代表的なトラブル事例
Application Note: MIL21-03

測定器や分析器の多くは、測定環境、経年変化、突発的および人為的事故などにより測定値にエラーを生じます。
 
露点計(水分計)も、センサーエレメント(検知素子)部の材質によっては経年変化特性を持ち、センサーの特性を変えてしまいます。ほおっておくと知らず知らずのうちに間違った測定値を招き、不正な測定結果へとつながる恐れがあります。正しい測定結果を維持するためには、定期的な点検(校正)を受けることをお勧めします。
 
今回は、定期的な点検を受けなかったことによる静電容量式露点計を使用した測定の代表的なトラブル事例をご紹介します。
 
*本ブログで記載する内容は、代表的なトラブル事例になります。
個別の事例に関しては、お気軽にミッシェルジャパン株式会社までお問い合わせください。
 

代表的なトラブル事例

環境因子、経年変化、事故などによる露点計のトラブルは、「測定偏差=ドリフト」を結果として説明されます。
測定偏差(ドリフト)を招く代表的な原因は、3つあります。
 

 

経年変化 金属酸化物(酸化アルミ)センサーチップは経年変化特性を持っています。
温度依存 周囲温度の急激な変化や極端な温度域での使用は計測に影響を与えます。
応答速度 パージ時間の不足、経年劣化でおこる「見かけ速度」に注意します。

 


右の検査結果表は、再校正トランスミッターの基準露点との差が顕著な例です。
表では、測定偏差の最大値が9.4℃dp、測定偏差の平均値が5.9℃dpであることが示されています。

金属酸化物(酸化アルミ)を使用した静電容量式露点センサーは、経年変化をおこす特性を持っています。

弊社の検査報告書は、以下の情報/結果が示されています。

  • 基準器
  • 前回校正日
  • 試験日
  • 各露点での偏差

 

測定値がマイナス方向に不良

露点測定値が低下(マイナス方向)する主な要因は、4つあります。
要因(原因)を見つけて、測定アプリケーションから不安要素を取り除くことが重要です。

要因 対処
経年変化 金属酸化物(酸化アルミ)静電容量式露点センサーは経年変化する特性を持っています。
定期的な調整(校正)を行ってください。
腐食性のガスに曝される 例えば、Cl2、HCI、H2SO4を含むガスをサンプリングする場合は、腐食性物質(Vapor)を除去して下さい。
高温環境(T=+40~+50℃)での使用 測定環境温度をT=+30℃以下に下げてください。
非導電物質の付着 適切なフィルターを設置して下さい。

 

測定値がプラス方向に不良

露点測定値が上昇(プラス方向)する主な要因は、5つあります。
要因(原因)を見つけて、測定アプリケーションから不安要素を取り除くことが重要です。

要因 対処
導電性部室の付着 例えば、カーボン、金属粉の付着が想定される測定環境の場合は、適切なフィルターを設置して下さい。
オイルの付着 適切なフィルターを設置して下さい。
熱や衝撃などの外的要因を与えた 設置環境を確認して、不安要素を解消して下さい。
ノイズ、電磁波など電気的要因を与えた 設置環境を確認して、不安要素を解消して下さい。
長時間大気などの湿分に曝された 保管状態の確認(乾燥した場所に保管)して下さい。

 

経年変化

金属酸化物(酸化アルミ)センサーは、経年変化します。
多くの計測(分析)器は、センサーエレメント(検知素子)部分の経年変化特性を持っています。
経年変化したままそのまま使用を続け変化幅が大きくなると、測定プロセスに支障(不正確な測定値など)をきたすことになります。これは、定期校正(点検・調整)を行い、経年変化を確認し調整する事で、正確な測定を維持することができます。
 
計測プロセスにおいて正確な測定・制御を実現するためには、測定器の定期な校正(点検・調整)を実施することがとても重要です。
 
定期校正(通常/年1回毎)を受けている露点センサーと3~5年間、定期校正を受けていない露点センサーの経年変化をそれぞれグラフにして比較しました。
 
 
経年変化の例…①
静電容量式露点計の再校正例です。
定期校正(通常/年1回毎)を受けている場合の経年変化

 
経年変化の例…①
静電容量式露点計の再校正例です。
3~5年間定期校正を受けていない場合の経年変化

 

温度依存

周囲温度の変化は、露点計精度に大きな影響を与えます。
正確な計測を行うために温度補正回路が必要です。
 
「温度補正回路」の重要性
下記のような現象がある場合は特に効果があります。

  • 周囲温度の影響が大きい
  • 温度計のような挙動が起きる
  • 周囲温度1℃の変化で、露点1℃dp以上の変化が起きている
  • 特に露点50℃dp以下の領域で測定誤差が顕著に現れる

 
 
温度依存の例…①
静電容量式露点計の温度依存性の代表例です。
温度補正回路を組み込んでいない場合の温度依存性を示したグラフです。

 
温度依存の例…②
静電容量式露点計の温度依存性の改善例です。
ミッシェル社の静電容量式露点計は、温度補正回路を搭載しています。

 
温度補正回路とは
ミッシェル社の静電容量式露点計に搭載されている独自技術です。
理想的な周囲温度は25℃です。
 
下のイラストのように実際の「露点」は、周囲温度に依存しません。
 

 
静電容量式露点計のセンサーエレメント(検知素子)部は、周囲温度に依存します。
*センサーエレメント部の材質、形状により測定値の変化は変わります。

 

応答速度

「見かけ上の速度」で判断すると誤った計測判断を導きます。
 
「見かけ上の速度」とは…
何かの原因により実際の露点値と測定器が示す測定露点値に相違が生まれ、ウェットアッップやウェットダウンといった露点変化に素早く応答しているように見える状態を指します。一見して、応答速度が速くセンサーが良い状態にあるように感じますが、実際は実際の露点温度と異なる測定結果を示しているので、正確な測定の実現には危険な状態です。
 
「見かけ上の速度」の原因は、主に不正確な校正データが書き込まれたことで起こります。
 
応答速度の緩急は、結果的に製品の品質に大きな影響を与えます。
正確な計測を行うために適切な応答速度を見極める事が大切です。
 
不適正な校正データが書き込まれた露点計…

 
 
応答速度…①
不適正な校正データが書き込まれた静電容量式露点計の例です。
低露点領域では感度が鈍く、全領域で低めの露点を指示する場合が多いです。

 
応答速度の例…②
不適正な校正データが書き込まれた静電容量式露点計のウェットアップ時の例です。
ウェットアップ時には特に影響が大きく、リスクが高くなります。

 
露点が上昇しているにも関わらず、露点計の指示値は変化せずに低露点を示した状態が続いています。
これは、ドライダウンが速く見える誤った校正データが書き込まれた露点計の典型的なトラブル事例です。

 

測定・保管上の注意点

長期間にわたり最適な性能を維持し良好な状態で使用するために計測器は適切な場所に、推奨された形式で設置、保管して下さい。
 

  • 腐食性のないガスで使用する
  • 粉塵や油分の少ない環境で測定を行う
  • 急激な温度・圧力変化を行わない
  • 低湿度環境下で保管する(デジケータ使用)
  • 粉塵、コンタミネーションが無い、または限りなく少ないクリーンなガス
    (限りなく少ない:0.05μm以下)

 

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本記事のアプリケーションノートを公開しています。
下記、リンクよりダウンロード可能です。
 
ミッシェル社(英国)および露点計の詳細は、下記URLをご覧ください。

Application Note: MIL21-03 水分測定の代表的なトラブル事例
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ミッシェル社紹介ページ https://www.michell-japan.co.jp/about-us/michell-instruments/
露点計・水分計 製品一覧 https://www.michell-japan.co.jp/category/water_analyzer/
テクノロジー紹介 https://www.michell-japan.co.jp/support/technology/
水分測定のよくある質問 https://www.michell-japan.co.jp/support/faq/

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