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不純物半導体とは?半導体製造の品質管理と酸素・水分測定方法を解説

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不純物半導体とは?半導体製造の品質管理と酸素・水分測定方法を解説

デジタル化が進む昨今、半導体需要は世界中で高まっています。製品の性能が向上するにつれて、半導体の性能も高めていく必要がありますが、緻密かつ繊細な製造プロセスが要因となり、欠陥・損傷などが生じるケースも珍しいことではなくなりました。
しかしながら、一定の品質の担保は半導体産業に従事する方にとって必ずクリアしなければならない課題。顧客からの信頼を勝ち取り市場を牽引し続けるためにも、品質管理はもちろん半導体についても知識を習得することが大切です。
そこで今回は、半導体製造における品質検査・管理の重要性、真性半導体と不純物半導体の特徴、製造過程で必須となる酸素・水分測定技術などについてご紹介します。ぜひご一読ください。

 

高まる半導体需要における品質検査・管理の重要性


世界的なデジタル化が進み、半導体産業は盛り上がりをみせています。半導体市場の中でも軒並み需要が高いのがスマートフォンとパソコンで、5Gの普及が期待される現在、その性能をしっかりと引き出すためには半導体の品質向上が欠かせません。
 
しかし、半導体の微細化・高性能化が進むとともに製造プロセスは複雑化しています。製造工程で何かしらの不手際があると、不純物が混ざったり半導体の性能に影響したりするほか、製品使用時に事故が起きる可能性もあります。品質トラブルが増え、安定的な生産が困難になり、顧客からの信頼も失ってしまうかもしれません。
 
こうした問題を起こさないためにも、半導体の製造では欠陥と、その欠陥を引き起こす原因の特定が重要です。厳しい品質検査・管理を行い、半導体の製造に関わる装置、部品、薬品など、あらゆる観点から欠陥の発生リスクを軽減することが求められます。
 
なお、不純物の混入が必ずしも質の悪い半導体を作るわけではなく、意図的に不純物を混入させて半導体の性能を高める「不純物半導体」もあります。あくまでも品質検査・管理では、半導体素子に悪影響を与える不純物のみを排除することが大切なので、しっかりとした設備のもと管理することが望ましいと言えるのです。

 

そもそも半導体とは?

半導体とは、電気を通しやすい導体とほぼ電気を通さない絶縁体の中間的な性質を持つ物質です。金属のように通電しやすい導体とは異なり、半導体はある条件下において電気を通し、通電しやすいかどうかは物質の電気抵抗率によって変動します。
電気抵抗率は温度変化や光の照射、不純物の添加などで調整できるため、例えば電流を一方向だけに流す半導体素子(電子部品)を作ることなども可能です。

 

真性半導体と不純物半導体とは?


こちらでは、真性半導体と不純物半導体について解説します。
 
 
 
 
 

 

真性半導体とは

真性半導体とは、単結晶からなる半導体のこと。不純物が取り除かれている状態なので、半導体を構成する原子の最外殻電子が適切に共有結合に使用されています。

 

不純物半導体とは

不純物半導体とは、不純物(ドーパント)を真性半導体に微量添加したものを指します。p型・n型の2種類があり、それぞれの違いは次のとおりです。
 

p型半導体

p型半導体は、真性半導体に3価の元素(最外殻電子が3つある元素)を微量添加することでできます。共有結合に使用する電子が一部で不足することで隣の共有結合から電子が移動し、電子が移動したところにはは新たな正孔(ホール)が生じます。この状態で圧力をかけると、まるでリレーをしているように正孔の発生と電子の移動が繰り返されるため、正電気が運ばれて電気伝導が起きるのです。なお、微量添加する元素にはホウ素やインジウムなどが挙げられます。
 

n型半導体

n型半導体は、真性半導体に5価の元素(最外殻電子が5つある元素)を微量添加することでできます。正孔ができるp型半導体とは異なり、n型半導体は共有結合に使用されるはずの電子の数が多くなるため、電気伝導を起こす自由電子(伝導電子)が過剰に生じます。この自由電子が電極に引き寄せられて移動するため、電流が流れる仕組みになっているのです。なお、微量添加する元素にはリンやヒ素、アンチモンなどが挙げられます。
 

 

半導体製造における酸素制御に用いる技術

酸素濃度測定は産業・工業における製造プロセスに重要な項目であり、半導体製造においても微量酸素の測定は必須事項と言えるでしょう。
酸素濃度の計測に用いられる技術は「電気化学式(ガルバニ電池式)酸素検知」「ジルコニア式酸素検知」の2つです。酸素量(酸素濃度比)に応じて電流が流れる仕組みになっており、微量な酸素でも検知できます。また、ジルコニア式酸素検知に至っては、酸素濃度が変化する中でもセンサーの応答速度が優れています。
 
電気化学式(ガルバニ電池式)酸素検知について詳しく知りたい方は こちら…
ジルコニア式酸素検知について詳しく知りたい方は こちら…

 

半導体製造における水分制御に用いる技術

半導体製造では意図せぬ不純物の混入は半導体素子に影響し、欠陥を招きます。なかでも水分は、製造過程においてエラーを引き起こす汚染物質とされており、仮に水分の付着を見落としてしまえば半導体の品質と性能は低下してしまうでしょう。品質と安全性を確保するためにも、微量水分の計測は重要です。
水分測定に用いられる技術は「キャビティリングダウン分光法(Cavity Ring Down Spectroscopy:CRDS)」「水晶発振子(振動子)マイクロバランステクノロジー(QCM)」「静電容量式(インピーダンス式)露点計測」の3つです。
 
キャビティリングダウン分光法は、ガス分子が有する固有の近赤外吸収スペクトル二を検知し、吸収時のピークから微量水分を計算します。水晶発振子(振動子)マイクロバランステクノロジーは水蒸気に対する水晶発振子の周波数の変化から水分測定を行うことが可能で、静電容量式(インピーダンス式)露点計測は電気的な原理で水分のみを正確に検出することが可能です。
どれも信頼性のある優れた計測技術ですが、なかでも静電容量式(インピーダンス式)露点計測はコスト面やポータブル性、汎用性の高さなどから多くの現場で選ばれています。
 
水晶発振子(振動子)マイクロバランステクノロジーについて詳しく知りたい方は こちら
静電容量式(インピーダンス式)露点計測について詳しく知りたい方は こちら

 

半導体製造のリスクを回避するために品質管理を徹底しよう

高品質・高性能の半導体を製造するためには、製造プロセスに潜むさまざまなリスクを回避することが重要です。水分などの不純物混入のチェックは厳しく行う必要があるでしょうし、ヒューマンエラーが起こる可能性も視野に入れなくてはなりません。その上で、真性半導体と不純物半導体の特徴を理解し、半導体製造に生かすことが大切なのです。
これからの半導体需要の勢いに押されないよう、品質管理の底上げを始めましょう。

 

半導体製造の際は、品質管理のための露点計・酸素濃度計も検討が必要

半導体製造では、徹底した品質検査・管理が大切です。湿気などの影響から部品に水分が付着し、そのままはんだ付けしてしまうと、熱によって水分が気化します。発生した熱と膨張によって生じる圧力によって、さまざまなトラブルが生じるおそれがあるかもしれません。品質管理と安全性の確保のためにも、不純物計測をはじめとする品質検査には十分に配慮しましょう。
 
露点計測・酸素濃度計測などでお困りの際は、 ミッシェルジャパン株式会社までご相談ください。

 

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静電容量式露点計 
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Pura Transmitter
https://processsensing.co.jp/wp_pst/products/pura-transmitter/
テクノロジー紹介 https://processsensing.co.jp/wp_pst/support/technology/
露点測定のよくある質問 https://processsensing.co.jp/wp_pst/support/faq/

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