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水分測定

露点とは。露点計の種類と測定原理を簡単に解説, MIL21-05

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露点とは。露点計の種類と測定原理を簡単に解説
Application Note: MIL21-05

「露点」(ろてん/dewpoint)とは、何でしょうか?
露点は、「湿度」の表し方の一つです。日常生活で触れることのない単語ではないでしょうか?
 
湿度とは、大気中の水分量(水蒸気量)を表したものです。
「湿度(水分)」は、気象変化、生活環境(空調)、食品といった日常生活範囲だけではなく、鋼鉄や石油化学、電力、紙パルプ、自動車、航空、文化財保護など様々な工業など諸産業にも影響を与えています。
産業に求められる品質が高くなるにつれ、正確な水分管理(測定)や微量水分域での測定が求められるようになりました。
 
今回は、露点とは何か、代表的な露点計の種類と測定原理を簡単にご紹介します。

 

露点計とは?


 
「結露した時の温度」を露点温度と呼びます。
単位は、℃dpです。
 
夏の暑い日にキンキンに冷えたビールをジョッキへ注ぐと、ジョッキの表面に水滴(結露)が発生します。冷たいビールをジョッキに注いだことで、ジョッキの表面(の温度)と外気温に温度差が生まれたことで発生します。
 
具体的に例えると…
夏の暑い日の気温 = 28℃
キンキンに冷えたビール = 4℃
露点温度 = 19℃dp
 
気温28℃のビアガーデンで4℃に冷えたビールをジョッキに注ぎ、ジョッキに水滴が生じた時のジョッキ表面の温度が19℃だった = 露点温度は19℃dp ということになります。
つまり、冷えたビールを注いだことでジョッキの表面温度が19℃dp(露点空気)以下に冷やされたために水滴が生じたのです。
 
ビールのような身近な例だと「露点」は何かに影響を与えるものだとピンときません。
しかし、食品、医療、燃料電池、各種工業用ガス、鋼鉄、石油化学、紙パルプ、文化財保護など…様々な産業で、水分はプロセス安全性や製品の品質に影響を与えています。

露点とは
水蒸気を含んだ空気が冷えると、ある温度で飽和状態(飽和空気)になり、それ以上冷えると水蒸気が凝縮して水滴や霜を生じます。結露とは、固体状態の物質の表面または内部で空気中の水蒸気が凝縮する現象です。この「結露した時の温度」が露点温度です。

 

露点と霜点の区別は何?


 
露点温度ともう一つ、「霜点温度」というものがあります。
 
露点温度との違いは、
露点温度…気体の水蒸気圧が、の飽和水蒸気圧に等しくなる温度。
霜点温度…気体の水蒸気圧が、の飽和水蒸気圧に等しくなる温度。
 
氷の飽和水蒸気圧と水の飽和水蒸気圧は、異なります。
しかし、露点温度と霜点温度を総称して露点温度と呼んでいる場合もあります。
また、霜点温度を「マイナス露点」とする場合もありますので、判らない場合はアプリケーションの担当者に確認しましょう。

 

相対湿度と露点の違いは?

天気予報で「今日は温度20℃、湿度60%」と言われるように、相対湿度は「温度」と相対関係にあります。
*相対湿度の解説は、「相対温度・絶対温度とは?空気&湿度の基礎と換算式を解説(2021年4月26日掲載)」をご拝読ください。
 
相対湿度100%のとき、周囲温度は露点温度と等しくなります。
露点が周囲温度より低いほど結露の発生リスクは低下し気体は乾燥します。相対湿度と異なり露点は温度に依存しないので、空気の温度が変化してもそこに含まれる水蒸気量と圧力が変わらず同一であれば露点温度は変化しません。
 
相対湿度は、周囲温度の変化に影響を受ける。
露点温度は、周囲温度が変化しても水蒸気量と圧力が変化しなければ影響を受けない。

 

なぜ水分測定が必要なのですか?

環境の快適性、製品の品質向上維持、安全性の確保に水分の管理が求められています。
食品の衛生管理や製造・輸送、アミューズメント施設の設備、半導体製造、新素材の開発、燃料電池、自動車の塗装、車両のブレーキシステム製造設備、各種産業ガス、石油基地、電力施設、印刷工場、倉庫など求められる環境は多岐に渡ります。

産業 アプリケーション
食品 パンの発酵工程管理
飴、タブレットなど累乗糖質加工食品の軟化防止
カビおよび微生物汚染防止
スナック菓子の火入れ管理(吸湿防止)
人口植物栽培室の環境管理
納豆工場のムロ環境管理
キノコ類の栽培質の環境管理
製薬 タブレットなど累乗糖質加工品の軟化防止
カビおよび微生物汚染防止
工業ガス 医療用ガスの品質維持管理
特殊ガスの品質維持管理
充填工程での品質監視や充填設備管理
半導体 各種精製ガス品質劣化防止
クリーンルーム環境管理
各種製造装置内雰囲気管理
自動車 塗装品質維持
燃焼排気ガス測定
各種評価装置内雰囲気管理
各種製造設備内雰囲気管理
製造拠点内圧縮空気管理
水素ステーション 燃料電池自動車充填水素の不純物管理
電力施設 発電設備内ユーティリティ管理
変電設備内絶縁ガス管理
天然ガス/石油化学/石油精製 パイプライン輸送時の品質監視
石油化学製品製造工程での触媒管理
備蓄施設での品質監視
製鉄 鋳造工程での品質管理
各種炉内雰囲気管理
貯蔵施設 環境管理
貯蔵品の品質監視
データセンター、博物館、美術館 文化財、サーバー保護
輸送 輸送コンテナ内の環境管理
一般空調、ホテル、レストラン 生活空間内の快適性維持

各種アプリケーションにおいて水分が与える影響(個別事例)については、お気軽にお問い合わせください。

 

露点計の種類

露点温度を測るために使用する露点計は、使用用途や測定原理によって大まかに分類されています。
まず、測定したい水分の状態によって大きく3種類の計測に分類できます。

  •  気体に含まれる水分を測定したい 測定対象は、ガス、環境雰囲気 など
  •  液体に含まれる水分を測定したい 測定対象は、石油 など
  •  個体に含まれる水分を測定したい 測定対象は、木材、紙、錠剤 など

 

気体中の露点(水分)測定

高純度ガス、工業用ガス、医療ガス、特殊ガス、半導体製造装置や自動車塗装工程、食品製造、錠剤製造、一般空調、各種環境チャンバーなど、気体中に含まれる微量水分の測定需要はとても高いです。
 
 
 
 
気体中の微量水分測定の代表的な測定原理は以下の通りです。

測定原理 製品
静電容量式 Easidewシリーズ、Pura、SFシリーズ
鏡面冷却式 S8000シリーズ、Optidewシリーズ
水晶発振式 QMAシリーズ
五酸化リン吸収電解法 お取り扱いはございません。

気体中の水分測定は、大気に含まれているパーセントオーダーの水分や水分の物理性質に注意してください。例えば、配管材質や希釈ガス、サンプリングラインの経路、各種機器の取付け順序など、それぞれのアプリケーションに対して適切な方法を選択することが重要です。高純度ガスや特殊ガスなどのPPBやPPTレベルの微量水分管理を求められるアプリケーションでは、特に注意しなければなりません。
適切なサンプリングシステムの設計およびご相談はミッシェルジャパン株式会社までご連絡下さい。

 

液体中の露点(水分)測定

液体に溶け込んだ水分を測定するアプリケーションもあります。
石油化学プロセスでの触媒保護、処理炉での酸形成予防、トラスオイルの絶縁劣化予防、液体燃料供給ラインのブロック防止など、アプリケーションは多くはありませんが、特長として危険(防爆)エリアでの測定を求められるケースが多いです。
 
 
 
 
 
 
 
 
液体中の微量水分測定の代表的な測定原理は以下の通りです。

測定原理 製品
静電容量式 Easidew PRO IS、 Easidew PRO XP、 Liquidew I.S.
カールフィッシャー法 お取り扱いはございません。

液体炭化水素の測定に限ります。
液体炭化水素の測定は、測定器にサンプルリキッドを導入する前の前処理(サンプリングシステム)が適切になされていることが重要です。例えば、高温や液中に混入した微粒物質(または汚染物質)を事前に除去するサンプリングシステムを設計し、サンプリングに適した状態に処理してから測定器にサンプルを流してください。不適切な処理状態のまま測定を続けることは、正しい測定の妨げとなるだけではなく、機器の故障や品質の劣化を直接的に招きます。
アプリケーションに適したサンプリングシステムのご制作は、ミッシェルジャパン株式会社までお気軽にご相談下さい。

 

固体中の露点(水分)測定

食品(加工品、野菜、茶葉)や薬剤(錠剤、累乗剤)、化粧品のカビや菌類の確認、土壌、木材や紙類の品質確認などのアプリケーションがあります。
 
特に食品、薬品、化粧品の品質維持/保護や安全性、物理的な特性、特有の取り扱い、化学的安定性に重要な役割を持ちます。必要以上の水分の存在は腐食を起こし、一方で少なすぎる場合は製品の特性変化を誘引します。
 
このような水分測定は、「水分活性測定」と呼ばれ露点ではなくaw値(水分活性測定値)が用いられます。
水分活性測定は、品質維持/保護に有益な情報を得ることができます。
 
固体中の水分測定の代表的な測定原理は以下の通りです。

測定原理 製品
静電容量式 AWTherm、HygroLab、HygroPalm
鏡面冷却式 Optidewシリーズ
コンウェイユニット法 お取り扱いはございません。
マイクロ波法 お取り扱いはございません。

食品は、複雑な複合系物質のため計算によって水分活性測定値を算出することができません。そのため、直接的また間接的に測定して水分活性測定値を測定しなければなりません。また、特定の物質(アルコールや塩分、刺激性物質を含む食品など)は、静電容量式と相性が悪く正しく測定することができません。
検体に合わせた測定原理を用いた機器を選定することが重要です。
 

 

代表的な露点の測定原理

弊社では、気体、液体、固体それぞれに含まれる水分を測定できる露点計(相対湿度度計)を取り扱っています。
弊社で取り扱っている代表的な測定原理の特長を簡単に表にしました。

測定原理



















測定範囲 -120~+60℃dp -90~+130℃dp 0.1~2000ppmV 1~1000ppmV
長所 連続測定が可能
簡単な取付け
低コスト
小型
高精度
経変変化がない
高速応答
高精度
自己校正機能
高精度
短所 経年変化がある
低露点での安定性に時間がかかる
冷却装置が高価
高価
流量と温度に依存する
高価
測定範囲が狭い
高価
代表的な
アプリケーション
工業ドライヤー
乾燥空気
高純度ガス
半導体製造
ガス充てん所
鋼鉄
天然ガス
炭化水素ガス
石油精製
石油化学
炉内雰囲気
電力所
食品
製薬
倉庫
美術館、博物館
…など
一次標準機用途
高純度ガス製造
自動車
燃料電池
環境試験
…など
高純度ガス製造
ガス充てん所
石油精製
石油化学
炭化水素
H2連続測定
バッチ測定
…など
標準器使用
炭酸ガス製造
アンモニアガス製造
…など
微量水分測定
高露点測定
液中露点測定

 

静電容量式

静電容量式を用いた水分測定器は、極低露点(-120℃dp付近)域から相対湿度レベルまでと測定範囲が広いのが特長です。設置型、オンライン型、ポータブル型と測定器のタイプも多様です。
 
原理は、セラミック基板上の導電性レイヤーと多孔レイヤーに吸湿活性レイヤーが挟まれたサンドイッチ構造で、多孔レイヤーに吸収された水分を検出します。ミッシェル社は、最新半導体製造技術を応用した先進セラミック水分センサーを検知部に採用しています。
静電容量式の詳しい測定原理は、[テクノロジー] 静電容量式 露点計の測定原理をご参照ください。
 
検知素子に金属酸化物(酸化アルミ)を使用しているため、経年変化特性を持ちます。そのため、ミッシェルジャパン株式会社では、使用および未使用に関わらず年1回の定期的な点検校正を推奨しています。
静電容量式露点計の代表的なトラブル事例については、[ブログ]露点測定の代表的なトラブル事例 Application Note: MIL21-03をご拝読ください。

 

水晶発振式

水晶発振式水分測定は、原理的に精度が高く、汚れの影響を受けにくい、歴史の長い測定技術です。
水晶発振子(振動子)式は、吸湿性コーティングされた水晶発振子の周波数の変化を、水蒸気に対して特定の感度で監視する技術をベースとしています。水晶発振子に水蒸気が大量に吸着すると、有効質量が増加し、水蒸気圧に正比例して結晶の共進周波数が低下します。この吸着プロセスは可逆的であり、長期的なドリフトの影響がないので、高い信頼性と再現性のある測定が可能になります。
ミッシェル社のQCM(The Quartz Crystal Microbalance)技術は、センサークリスタルへの外部からの影響(温度や経年変化など)を補償するためにセンシングチャンバー内にセンサークリスタルを2つセットしています。
 
水晶発振式の詳しい測定原理は、[テクノロジー] 水晶発振式 水分計の測定原理をご参照ください。

 

鏡面冷却式

鏡面冷却式露点計は、サンプルガスが直接鏡面触れるので、サンプルガス中の汚れを含んだ水滴や冷却水などが鏡面上に付着して(鏡面上の汚れにより、霜が均一に形成されないため)測定誤差を招くことがあります。そのため、定期的に鏡面のクリーニングが必要です。
ミッシェル社の鏡面冷却式露点計には、DCC機能(鏡面汚染誤差自動補償システム)が搭載されているのでクリーニング間隔を延長することができます。
 
鏡面冷却式の詳しい測定原理は、[テクノロジー] 鏡面冷却式 露点計の測定原理をご参照ください。

 

レーザー吸収分光式

レーザー分光式は、吸収分光式、近赤外波長可変半導体レーザー(TDL)式、半導体レーザー分光方式とも呼ばれます。酸素測定だけではなく、ガス分析や水分測定にも利用されている方式です。
酸素濃度測定およびガス濃度測定では、TDLレーザーによる吸収分光計測法を利用してレーザーが測定対象ガスを通過するときに吸収(損失)する光の量からガス濃度を測定します。近赤外線レーザーをサンプルガスに照射し、受光部で光の波長(強度)を検出し、ガス濃度に信号を変換します。
 

 

露点計の選び方

一口に「露点計」といっても様々なアプリケーション用途があり、アプリケーション毎に適した測定原理があります。適した測定原理を使用した測定器でも、測定範囲がカバーできていなかったり、必要な機能を有していないこともあります。また、正確な測定を実施するには測定器のトレーサビリティやサンプリングにも注意を払う必要があります。アプリケーションに適した露点計を選定するには、アプリケーション要件をきちんと把握しなければなりません。
 
例えば、露点計の選定に必要な情報は… 

  •  測定対象(サンプルガス) …ガス種、コンタミの有無
  •  必要な測定範囲
  •  設置場所/測定環境 …屋内、屋外、装置内、持ち運び
  •  測定条件
    • 高精度を求めるか
    • 常時監視
    • 複数個所での測定
    • 高圧下での測定
    • 測定記録を保管したい
    • 高温環境下での測定
    • 防爆環境での測定
    • 既に沢山の測定器が付いている環境   …など

 

アプリケーションに適した露点計の選定のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

 

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ミッシェル社(イギリス)および露点計の詳細は、下記URLをご覧ください。

Application Note: MIL21-05 露点とは。露点計の種類と測定原理を簡単に解説
ミッシェル社紹介ページ https://www.michell-japan.co.jp/about-us/michell-instruments/
露点計 製品一覧 https://www.michell-japan.co.jp/category/water_analyzer/
テクノロジー紹介 https://www.michell-japan.co.jp/support/technology/
露点測定のよくある質問 https://www.michell-japan.co.jp/support/faq/

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